公園通り動物病院 blog

開院4年目の動物病院です。病気の解説のほか、院長がどんなことを思いながら仕事をしているのか、あるいは診療にあたってのポリシーのようなものなどを飼い主様にお伝えし、ご理解いただく一助となればと思います。おつきあい頂ければ幸いです。病院HPはこちら www.parksteet-ah.com

人医療の進歩に関心を持つこと

勉強と言うよりは半ば趣味で、人医療のサイトや医師の方のSNSなどを見てます。

あいにくほとんど普段の診療には役立たないのですが、まあ、趣味ということで。

 

そこでヒト医療での新薬の話題に絡めて。個人的に注目したのは国内初のCAR-T療法であるキムリア。ノバルティスファーマが承認間近だとか。

 

CAR-T療法とは、がん患者さんから採取したリンパ球(T細胞)に遺伝子改変を加えて患者体内に戻し、T細胞のがんに対する攻撃力を高めるというものだそうです。免疫療法の最新ですね。

アメリカでは既に臨床応用され、高い効果と高額な薬価(日本円で一回5,000万円!)で話題となり、日本でも保険財政の圧迫が予想され、保険適応をどうするか検討すべきと言われているようです。医療にはお金がかかるという現実と、皆保険の公平性の観点からどのような議論がなされるのでしょうか。

 

answers.ten-navi.com

 

そんな高度、高額な治療法、動物では到底無理でしょ、と思いきや、すでに取り組んでいる国内外の研究者の方もおられるようです。

ヒト以外の動物でも技術的には可能らしく、海外の一部施設で実施され、一定の効果をあげているという情報もあります。

 

 国内では、動物に遺伝子改変した細胞を組み込んだ時点で、遺伝子組み換え生物として扱われ、改変された細胞が消失するまでは完全に実験動物施設に置かれなければならないそうです。コスト以外に法律の改正など、越えるべきハードルがいくつもあるようです。

 

とくに上記のキムリアは適応がB細胞性大細胞リンパ腫とリンパ芽球性白血病ということで、血液がんに強いようなので、いつか将来、犬に発生の多いB細胞性リンパ腫に応用できるようになったら素晴らしいですね。

 

犬のリンパ腫の抗がん治療をやっていくとやはり生存期間12〜18ヶ月が壁になることが多いわけですが、自分が臨床医をやっている間にこの壁がどこまで取り払われていくのか?気になる話題です。