公園通り動物病院 blog

開院7年目の動物病院です。病気の解説のほか、院長がどんなことを思いながら仕事をしているのか、あるいは診療にあたってのポリシーのようなものなどを飼い主様にお伝えし、ご理解いただく一助となればと思います。おつきあい頂ければ幸いです。更新は少な目です。。。病院HPはこちら www.parksteet-ah.com

狂犬病予防シーズンに

世界で最も多く人間を殺した生物、という記事を見つけました。

物騒なタイトルですが、情報源はWHOらしいです。

 

第1位は"蚊"だそうです。

マラリアデング熱などを媒介するということでしょうか。

犬でもフィラリアを媒介するなど、被害は人間にとどまらないのですね。納得できます。

第2位は人間。でも一位の蚊とあまり大差なく感じるのは自分だけでしょうか。

第3位が蛇。

 

そして第4位がなんと”犬”だそうです。これにはちょっと驚きました。

たしかに先日は放し飼いの土佐犬による被害の言語道断なニュースもありましたが、まさかそこまでとは。。ちなみにオオカミは14位、象よりも少ない。

 

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と思っていたら小さく括弧書きでRavies(狂犬病)の文字。

なるほど、狂犬病は日本国内でこそ自然発生はありませんが、海外のほとんどは汚染地域です。世界的には当然の数字なのかもしれません。

 

 

そういえば、サッカーのワールドカップがブラジルで開催されるにあたり、厚生労働省が国内の渡航者向けに『黄熱』のワクチン接種を推奨しているそうです。

 

 

『黄熱の予防接種を受けましょう』厚生労働省リーフレット

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11133000-Shokuhinanzenbu-KenekijogyoumuKanrishitsu/leaflet_2.pdf

 

 

黄熱も蚊が媒介する熱帯病の一種で、あの野口英世が研究中に感染して亡くなったことでも有名です。リーフレットでは他に肝炎、破傷風狂犬病ワクチンも推奨されています。

 

ワールドカップでは、チケット販売数からしておよそ3000人の日本人がブラジルに渡航するとか。

それだけ多くの人が移動すれば、黄熱のみならず、中には不運にも狂犬病ウイルスに感染する方もゼロではないかもしれません。

 

 

おそらく、日本で狂犬病が爆発的に拡がるようなことはないでしょうが、海外で犬に噛まれたなどによる偶発的な事例は、今後増えてくるかもしれません。

不幸な事故を防ぐため愛犬の予防シーズン前に、少し感染症について勉強しておくのもいいかもしれませんね。

 

 

狂犬病について

日本獣医学会

http://www.jsvetsci.jp/05_byouki/infect/01-rabies.html

国立感染症研究所

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_18/k03_18.html