学会参加
獣医がん学会に参加してきました。
地方から上京する人間に配慮していただいたのか、少し前から会場が変わり
羽田からのアクセスが良い場所になったおかげで大変楽になりました。
今回のシンポジウムテーマは口腔メラノーマ(悪性黒色腫)でした。
犬の口にできる腫瘍は悪性のものが多く、とくに高齢犬の口のしこりは要注意。
重度の歯周病と一見紛らわしいしこりが、実はがんであった、ということも。
そしてメラノーマはその中でも最もやっかいなものといえます。
病気の解説はいずれ当院ホームページに掲載しようと思うのでここでは割愛します。
がん学会としては残念ながら口腔メラノーマに対し、
とくに新しい知見、治療が提案されるようなことはありませんでしたが、
現時点での、そして国内で実施可能なベストを、われわれ一般臨床医に提示し、確認する場としてはそれなりに有意義であったのかなと思います。
復習と整理は大事ですよね。
興味深い話題としてはメラノーマとはずれますが、日本、米国、欧州の獣医がん研究機関が一体となって、犬のB細胞性リンパ腫のがんワクチンの研究がはじまった、というところでしょうか。
いつも欧米に遅れをとりがちな日本の獣医学研究も、今回は実力・努力を認められ共同研究に参加できるようになったのだとか。ぜひとも頑張って頂きたいものです。
実はメラノーマに関しては数年前から犬のがんワクチンが米国で市販されており、良好な成績をあげています。
国内でもある程度は試験が進んでいるようですが、我々が入手できるようになるのは当分先のことのようです。
しかし、我々も新しい薬をただ待つだけでは芸がありません。
また、情報もただでは手に入りません。
いざ新しい治療が使えるようになったときに迅速に対応できるようにしておくため、今後も可能な限り、学会やセミナーなどは参加していきたいと思います。
というわけで、今回も臨時休診で継続治療の患者さん(飼い主さん)には大変ご迷惑・ご心配おかけしました。
上記のような理由からと、ご理解いただければと思います。